西条一の煙突を擁する杜氏たちが学んだ「学校」
人気フォトスポットの煙突
酒蔵通りで最も高い赤レンガの煙突があるのが、福美人。
その高さは25メートルあり、離れたところから手に乗せるようにして写真を撮る人、真下から上を見上げるように見る人がよく見られる観光スポットです。
恵比寿庫は、常時見学可能で、ラベルや歴代総理大臣の色紙の展示のほか、カープたる募金で活躍する酒樽、銘酒販売コーナーもあります。
酒造学校と呼ばれた酒蔵
1917年、西日本中心の酒造会社の出資によってできた、日本で最初の株式会社としての酒造メーカーです。
設立の4年後から、品評会で最優秀賞を獲得するなど、その技術が高く評価されており、「どうしてそんなお酒ができるのか」「教えてもらいたい」と、酒造関係者や株主の酒造会社から技術の教授を要請されました。
全国から酒造りを学びに来た人たちが集うようになると、福美人はいつしか通称「西条酒造学校」とも呼ばれるようになったのです。
全国に広がる福美人の輪
西条酒造学校で学んだ杜氏は約60人ともいわれています。
杜氏はそれぞれが蔵に戻って酒造りに活躍していましたが、一年に一回集まってOBだけの品評会を開催し、親睦を深めつつ勉強をしたそうです。その会合は「福美人会」と呼ばれていました。今でも残る記念旗から、切磋琢磨した杜氏たちの姿をしのぶことができます。
西条酒造学校は、国や県が酒造りの後押しをするまで、多くの杜氏を育て、他の地域の酒造りの発展に寄与してきました。