これまでの酒まつり以上に蔵の雰囲気を感じてほしい
オンラインだからできる酒蔵探訪
のどかな田園の中に建つ、白壁と赤瓦の蔵。
東広島市黒瀬町の金光酒造です。西条酒蔵通りから約15kmの場所にあり、酒まつりでは例年、試飲販売のみを行っています。
オンライン酒まつりとなった今回は蔵を訪ね、製造部長の見世亮さんにお会いしてきました。
通常は公開されていない蔵の中の写真とともに、小さな酒蔵が酒造りにかける熱意をお伝えします。
中硬水から生まれる微発泡の酒
西条の軟水と比べると、黒瀬の水は少しミネラル感がある中硬水。
硬度の影響で、金光酒造のほとんどの酒が、発酵時の炭酸ガスが残る微発泡酒です。酒造米は広島県産。
主に広島県産の八反錦を使います。
大吟醸や純米大吟醸では、すっきりきれいな味を求めて千本錦や山田錦も使用。
米の味が酒に出るため、銘柄によって品種を使い分けています。
麹用に多用する米は、雄町の中ではトップクラスといわれる岡山の赤磐雄町です。
少量仕込み&調合なしで鮮度追求
酒造りは1トンを超えない、少量の仕込みで行います。
仕込み本数は増えますが、「発酵時の温度調整がしやすく、繊細な仕上がりが可能なんです」と語る見世さん。
搾った酒は同じ銘柄でも混ぜたり調合したりしません。
同じ銘柄、商品で味のばらつきが出ないように、細心の注意を払います。搾った翌日、遅くとも3日後には瓶詰めして冷蔵。
シャンパンのような、独特のフレッシュ感を保ちます。
5人の蔵人が造る純米ブランド
かつての看板銘柄は「桜吹雪」でしたが、代表の金光秀起さんが「品質管理と私たちの想いを伝えてくれる専門店に置いてもらえる酒を造りたい」と、2003年から純米酒「賀茂金秀」造りを開始。
現在は賀茂金秀が桜吹雪を凌駕するほどの売れ行きとなりました。
他の酒造会社で働いた経験がある見世さんは「入社当時、社長と自分しかいなかったので、あらゆる工程を見ないといけない。
酒造りの全てに関わることができて良かった」と振り返ります。
今は5人の従業員で金光酒造の酒を造っています。